[特集] クリエーティビティーを揺さぶる 「違和感」の正体

我々『HAIR MODE』編集部が、ヘアデザイン・クリエーションに関連する取材に挑む際、よく聞く言葉がある。それが「違和感」というキーワード。ではここで、いったん「違和感」の意味を辞書からひも解いてみたい。
違和感 【いわかん】…しっくりしない感じ。また、ちぐはぐに思われること。「初めて会う人なのに違和感もなくうちとける」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
言葉通りに捉えるのならば、「しっくりこない」「似合わない」というネガティブなニュアンスを備えているはず。しかし、ことヘアに関する話題については、皆一様に、良いことを表現する文脈で使っているのではなかろうか。では、美容師が語る「違和感」とは一体何を指すのか?
髪型は、ヘア“デザイン”である以上、顔立ち・雰囲気・ファッション・ライフスタイルに調和していることも大切。しかし、そこから外すことをあえて狙う、計算された違和感は、ヘアデザイナーの個性を宿すフックとなり、お客さまの新たな魅力を引き出す要素にもなり得るのではないだろうか。また、見た瞬間は違和感を覚えつつも、心引かれるデザインもある。新しさを感じさせ、気分を上げる要因が違和感にあるのだとしたら、そこには次のトレンドを担うエッセンスが秘められている可能性も否めない。
ここで注意したいのは、良い違和感とは時にはなじませて、デザインとして成立させるセンスを備えなければ生まれない、ということ。新しさを追求するだけでなく、まとう相手が「似合わない」「理想とそぐわない」と感じるミスマッチを防ぎ、お客さまにとっては悪い意味での違和感であるコンプレックスをなじませる・個性として生かすテクニックも必要であろう… … ただし、ここまではあくまで編集部の見解。美容師ではない我々の想像を超えたところに、その真意があるのかもしれない。
本特集では、そんな曖昧にされがちな「違和感」という言葉について、美容師の声を参考に、丁寧にひも解いていきたい。目が離せなくなるような、ヘアデザインを唯一無二たらしめるアプローチのヒントが、そこにはあるはずだ。さあ、読者諸君に問う。あなたにとっての”違和感”とは?
作品の“違和感”その効果・効能
“違和感”は個性になり得るコンプレックスを魅力に
業界内外からデザインの”違和感”を見つめる