物価の高騰が連日報道されているが、実際のところ、どの程度上がっており、また、美容業はこの流れに付いていけているのか? データをもとに解説する。
下のグラフは、2020年を100とした消費者物価指数を、「総合」「鶏卵」「光熱・水道」「一般外食」そして「理美容サービス」の各品目について、2000年から10年ごとにプロットし、’24年の指数を加えたものである。

これを見ると、’20年以降、全体的に物価が高騰していることが分かるが、この中では、理美容サービスの上昇率が、「総合」(値上げには認可が必要な鉄道運賃や、値上げのしづらい家賃などが、比較的大きなウエートで含まれている)よりも低くとどまっていることに着目したい。
また、’00年に対する’24年の高騰率に目を向けると、かつて「物価の優等生」と言われた「鶏卵」が最も高騰しており、「理美容サービス」はやはり「総合」を下回っている。上昇カーブもなだらかであり、理美容業はある意味「令和の物価の優等生」かもしれない。
2000年に対する
2024年の物価の高騰率
| 品目 | 高騰率 |
|---|---|
| 総合 | 112% |
| 鶏卵 | 156% |
| 光熱・水道 | 137% |
| 一般外食 | 132% |
| 理美容サービス | 111% |
ただし、鶏卵がこれまで物価の優等生であり続けたのは、品種改良や飼育法が飛躍的に進歩し、生産コストを一定に抑えることができていたからだ。一方、美容業は労働集約型産業であり、対応できる客数は大きく変わらない。つまり美容業は、物価の優等生であっては「いけない」産業なのである。
美容業は、価格を言い値で設定でき、かつ、技術やデザインから、空間、美容師の人物そのものに至るまで、付加価値を高めるポイントが多数存在する。その上、ヘアに関する悩みを持つ人が多いため、お悩み解決のアプローチから高付加価値を得ることも難しくない。美容メニューを完全に代替するものもない。すなわち、美容業は付加価値(価格)を上げやすい業種なのである。
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癖毛を抑えてサラサラの髪を手に入れたいモテるためにイメチェンしたい …など例)
このような条件がそろっている利点を生かし、提供している施術・サービスへの対価(付加価値)が、今の物価高騰時代に見合っているのか、早急に検討する必要があるのではないだろうか。
※本記事は、月刊『美容の経営プラン』2025年8月号から転載した記事です。