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Feb. 17
経営

『美容室の開業』で失敗しないために、考え、行動しなければならないことを全て教えます

2011年に立ち上がったタカラベルモント(株)の開業支援チームは、成功する美容室開業を増やすため、その準備と計画をサポートする集団として結成。これまでの開業サポートで得られたノウハウが詰まった書籍『美容室の開業~3575軒の開業支援から導き出した店づくりの考え方』(女性モード社刊)を監修した。 独立志願の美容師が、開業までにどのような準備・計画が必要か、同書より本筋を大幅に抜粋。全10回にわたり失敗しない美容室の開業を解説してゆく。

Index

『美容室の開業』で失敗しないために、
考え、行動しなければならないことを全て教えます

監修:タカラベルモント㈱開業支援チーム

独立・開業を考える

開業の意思が芽生えたら

美容業は新規開業が盛んな業界ですが、全ての美容師にとって、独立・開業が将来のベストな選択肢とは限りません。美容室の開業、つまり起業には、常にベネフィットとリスクの両面が伴います。開業の意思が芽生えたら、まず、このベネフィットとリスクについて客観的に考えてみてください。

開業のベネフィットは、ビジネスにおいて、主体的に意思決定しやすくなることと、収入面での可能性が広がることだといえるでしょう。一方、リスクは、ほとんどのケースで大きな借金を背負って生きていくことになるということ。そして、スタッフを雇用する場合、自分や家族以外の他人の人生にも責任が生じるということが挙げられます。勤務継続を選択した場合、開業する場合とほぼ真逆のベネフィットとリスクが伴います。

美容室の開業 経営方針

自分自身について再確認する

開業のベネフィットとリスクについて客観的に考えたら、次は自分自身が〝持っているもの〞が何なのかを整理しましょう。

まず、能力や性格、バックグラウンドなどさまざまな観点から自分自身の棚卸しを行ない、強み・弱みを紙に書き出してみましょう。自己分析と周囲からの評価が一致しているかどうか、身近な人に意見を求めるのも方法の1つです。

次に、これまでの美容人生で築いた実績と資産を正確に把握します。実績には個人売上だけでなく、勤務時代に組織の中で担った役割などの経験も含まれますし、資産には開業に向けて蓄えた自己資金のみならず、指名客などの顧客資産や培ってきた技術も含まれます。また、プライベートのライフプランを立てることも重要です。

その上で、下のStep2にのっとって、自分が本当に開業してよいのかどうか、再確認しましょう。全ての条件に当てはまらなくてもよいのですが、「独立への強い意志がある」と「独立への強い意志がある」という2つについては、開業の絶対条件です。

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サロンの存在意義と経営方針

開業動機は事業の基軸

開業動機は、美容室という事業を展開していく上での基軸となるものです。開業希望者の熱意を量り知るために欠かせない要素でもあるため、多くの事業計画書は開業動機の記入欄から始まりますし、融資を受ける際の面談でも必ず尋ねられる項目です。

掲げる開業動機は、社会や顧客、そしてスタッフに対して貢献でき、共感と支持を集められる内容であることが大切です。開業動機から経営方針が導き出されて、サロンコンセプトや取るべき戦略・戦術につながっていきます。

とはいえ、自分の本心とかけ離れた、見栄えがよいだけの動機を掲げても意味がありません。まずは、「何がしたいのか(What)」、「なぜ独立・開業するのか(Why)」を熟考して、自分の開業動機を明確にしましょう。

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自分の言葉で経営方針を固める

開業動機が整理できたら、経営方針を固めます。経営方針は、

パーパス 組織の存在意義
2.ミッション 事業を通して果たすべき使命
3.ビジョン 組織が将来なりたい姿
4.バリュー 事業が提供する価値

の4段階に分けて考えると、自分の頭の中が整理しやすく、目指すべき方向性が明確になります。そして、消費者や美容師に伝わりやすく、具体的な施策につながりやすいものともなります。また、考える際は、必ず最上位のパーパスから順番に定めていくのがポイントです。

上位のパーパスとミッションは、事業を継続する限り、基本的に不変の要素ですが、ビジョンはサロンの歴史やステージごとに移り変わったり、バリューは1つの組織の中でもブランドごとなどに異なったりする可能性があります。下に実際のサロンの例を示しているので、各項目が示す内容を理解するための参考としてください。

パーパス、ミッション、ビジョン、バリューを定めたら、この経営方針に一貫性があるかどうか、また、抜け落ちや見落としがないかどうか、複数の角度からチェックします。経営方針の策定は、ある意味で概念的な思考を巡らすことになりますが、これらは、「誰に向けて、どのような美容室をつくるのか。そして、そこで何をどのように提供するのか」という具体的な店づくりやスタッフ教育に直接、影響を及ぼします。自分自身がしっかり納得できるまで、十分に練り上げてください。

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開業はゴールではない

経営方針の中のビジョン(組織が将来なりたい姿)は、開業希望者自身が、今、抱えている課題(理想と現実のギャップ)を浮き彫りにする項目でもあります。ビジョンは、サロンの歴史やステージごとに移り変わる可能性がありますが、開業前は、開業から5〜10年後になりたい姿を設定します。

そして、開業時のサロンのあり方を、現在からそのビジョンに到達する一過程として据えると、現在から開業までの自分自身の課題が浮き彫りになります。これこそ、開業準備の段階で克服しなければならない課題です。そして、開業後、ビジョン実現に向けて、サロンを挙げて取り組むべき課題を想定することもできます。

つまり、開業とはゴールではなく、ビジョン実現に向けた一過程に過ぎないということです。また、今の自分と開業時の自分もイコールではなく、つくるべき店の実現に向けて、開業準備を行ないながら、成長していくという意識を持つことが大切です。

店づくりは、「今、すぐにできること」ではなく、「すべきこと」から発想しましょう。


[特別コラム]

経営者のライフプランと開業するサロンの収益構造

開業は、自分と家族の人生の転機となる。特に収入面での変化は大きい。想定される収入額や収入の得方が、ライフプランにフィットしたものなのか、よく考えよう。

1人でサロンを営むのか、スタッフを雇用するのか

昨今、1人サロンの開業が急増しています。全ての施術を自分で担当したいから、という理由の他、雇用に積極的になれないという背景や、セット面1~2面規模ならば、小さな初期投資で開業できるからということもあるようです。

開業時の規模や、将来的に目指す規模と組織の構造を決めるとき、必ず自分のプライベートのライフプランと照らし合わせましょう。数年後、子どもの教育資金が欠かせないときに幾ら収入が欲しいのか。老後資金として、何歳の時点で幾ら蓄えたいのか。ライフステージごとに必要な収入が、開業するサロンの収益構造から得られるのかどうか、冷静に判断してください。

スタッフの雇用には、ベネフィットとともに、さまざまなリスクが発生しますが、1人で働き続けることにもリスクは伴います。けがや病気をした場合、即座に売上や収入がゼロとなり、諸支払いも滞ります。多くの美容師が40歳前後をピークに個人売上が少しずつ落ち始めますが、家族にお金がかかるのはその後です。

ライフプランの作成に当たっては、ファイナンシャルプランナーなど専門家の力を借りるのも方法の1つでしょう。また、開業後の収支計画については、後の章でシミュレーションの方法を紹介します。

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次回「顧客とスタッフに支持される”店づくり”」配信中

 

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『決定版美容室の開業
-3575軒の開業支援から導き出した
店づくりの考え方-』
監修/タカラベルモント開業支援チーム

A5判変型240頁
定価3,080円(本体2,800円、電子版とも)

▼美容サロン開業のご相談は
タカラベルモント開業支援まで
お電話でのお申し込みはフリーダイヤル0120-449-114

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