
ハイトーンカラーの施術において、もはや欠かせない「処理剤」。しかし、「実はどんな効果があるのかよく分からない」という人も少なくないのでは? 処理剤の効果と仕上がりの色みの関係性について、基礎的な考え方を学んでおこう。
解説:内山昌彦[CANAAN]
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前回、処理剤の種類と考え方を紹介した。今回は、処理方法の異なる暖色・寒色の毛束を実際に染め、処理剤の効果を検証する。色みや質感の違いを比べてみよう。

BEFORE
〈暖色〉
中野製薬『キャラデコ』P/v-13+同『キャラデコ』オキサイド N 06(2倍)
〈寒色〉
中野製薬『キャラデコ』A/v-13+同『キャラデコ』オキサイド N 06(2倍)
ヘアカラー後のシャンプー
アミティエ『アミティエ ヘアシャンプー』(CANAANオリジナル)(A)
マイナスの処理
トライグッズ『BASE SHAMPOO アルカリプレシャンプー』(B)
プラスの処理
リトル・サイエンティスト『ワクワクneo 3種混合液』(C)
リトル・サイエンティスト『ワクワクneo ヘマヘマ』(D)
リトル・サイエンティスト『ワクワクneo キトキト』(E)
トライグッズ『ケラフェクトコネクター』(F)
まずは、ヘアカラー直後の毛束から。ヘアカラー直後の発色や質感の違いは……?
| 写真左 | 写真中 | 写真右 |
| 暖色 13レベルピンク系 | 寒色 13レベルアッシュ系 | コームを 通した結果 |
調査1の毛束を30回シャンプーし、シャンプー後の退色の仕方と質感の違いを比較。どれだけ差が出るか?
| 写真左 | 写真右 |
| 暖色 13レベルピンク系 | 寒色 13レベルアッシュ系 |
「マイナスの処理」は、カラー剤のパワーを引き出して発色・色持ちを向上させると推測できる。また、「プラスの処理」は、30回シャンプー後でもある程度の質感の良さを保てていたことから、ヘアカラーの刺激やダメージから髪を保護する効果があることが分かる。最強なのは、これらをどちらも行う「マイナス+プラスの処理」(※同一レシピ・条件での施術を比較した場合)。なお、毛束の検証では暖色よりも寒色のほうが退色が抑えられている傾向があるが、こうした色みによる発色・退色の違いについては、カラー剤のスペックによって異なっているものと思われる。

→ 何でもかんでも、使えばよいというわけではない!
それぞれの髪のコンディション・施術内容に合わせて、必要なものを使用することが大前提。また、コストとのバランスも要検討。
→ 分子量の小さいものから入れ込む
→ 内部に入れてから、表面にふたをする
分子量の小さいもの(=低分子)は内部に浸透しやすく、大きいもの(=高分子)は浸透しにくい。そのため、分子量の小さいものを先に入れ込み、分子量の大きいもので表面にふたをするように使うと、効率が良い。とはいえ、分子量の大きさは処理剤やメーカーによって異なるため、同一シリーズの処理剤をメーカー推奨順に使用するのがベスト。
何を使えばよいか迷ったら……
近年は、薬剤設計の技術も進化し、処理剤自体に複数の効果があるものや、ヘアカラー施術と組み合わせることを前提に開発されたシステムトリートメントなども多数販売されている。特にシステムトリートメントは、以前と比べて工程が簡略化されており、時短にもなる。どの処理剤を使えばよいか迷う場合は、サロンのコンセプトや客層に合わせて、総合的な効果が得られるものを選ぶのも、一つの手。
参考:『ヘアカラー処理剤攻略BOOK』、『美容師が知っておきたい 薬剤成分用語まるわかりBOOK 増補版』(共に小社刊)
はじめから読む…
※本記事は、月刊『HAIR MODE』2025年9月号から転載した記事です。