流行の先端に立ち、人々の注目を浴びながら、美への憧れを刺激するプロ、ファッションモデル。優雅な立ち居振る舞い、身にまとった洋服が映えるポージング、女性らしく洗練されたしなやかなボディと強靭な精神。それらの融合による表現力は、決して一朝一夕で身につくものではありません。
「個人差はありますが、現場できちんと動けるようになるまで、2年はかかります」と語るのは、エイベックス・アーティストアカデミーのモデルコースでインストラクターを務める、うえきみゆさん。モデルインストラクター協会認定のウォーキングスタイリスト資格を持つ。自身もタレント事務所に所属し、現役のモデル、女優として活躍。15年のバレエ経験で磨かれたボディバランスによる精度の高いウォーキング、ポージングに定評がある。それだけに、いまどきの若い女性の姿勢の悪さが気になるよう。
「最近はスマホの影響で、猫背の子が多いです。それと、足を組んで座るのも、骨格のバランスが悪くなる要因で、矯正するのが大変です」
立ち姿1つで、モデルとしてのレベルには大きな差が出る。それは向き不向きの問題ではなく、「いかに強い意志を持ち、ひたすら努力し続けられるか」がモデルになるための1つの才能だと、うえきさんはいう。
「モデルになりたいと、強い意志を持って来ている子ばかりですので、皆、負けず嫌いで意欲的にレッスンに励んでいます。私は、自分の価値観を無理に押しつけず、1人ひとりの良いところを伸ばすことを第一に考えています」
「自信をつけさせる」、「個性を際立たせる表現力の指導」が、生徒のプロ意識を高めるレッスンのテーマ。そのレッスンの中で、どんなタイプのモデルになるかを思い描いて個々にアドバイスを送る。
「初めてレッスンに来たときから、生徒それぞれ、個性が出ます。例えば、笑顔がかわいいとか、キリッとしてカッコいいとか、そういう自分の良さを、ナチュラルに表現できるスキルから身につけさせていき、苦手部分は焦らず少しずつ克服していけるようなレッスンプログラムを組んでいます」
モデルとしては身長が高いとはいえないうえきさんも、姿勢の美しさと明るい笑顔をセールスポイントに、存在感を発揮してきた。自分の武器を知ることで、人に訴えかける表現に説得性が備わり、モデルは舞台の経験を重ねるごとに輝きを増していく。
「現場を意識した発表会形式でのレッスンでは、みんなの意見を聞き『自分はこういうふうに見えているんだ』と、長所や短所に気づけるんです」
自分を知り、それを現場でうまく表現できると、一瞬でプロの顔に変わることがモデルにはあるという。そのスイッチを押すのは本人だが、その場所を探してあげるのがうえきさんの仕事。だから急成長を目の当たりにすると、自分のことのようなうれしさがこみ上げる。
動作、姿勢を細かくチェック
業界でも評価の高いポージング指導
インタビュー中も背筋がシャンとしている。
※本記事は、『HAIRMODE』および『HAIRMODEdigital』2017年4月号にて掲載した記事を転載したものです。