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Apr. 04
経営

時給1500円時代の美容室経営
その1|時給1500円時代へ向かう社会的背景

政府は、最低賃金(時給)の全国平均を、 2029年に1,500円へ引き上げることを目標としている。この目標が達成に至るかは不透明だが、物価高騰の社会情勢下にあって、 強い賃上げ圧力がかかっている現実は否めず、美容室経営にも今後、大きな影響を及ぼすことになる。そこで、時給1500円時代の美容室経営と、美容業の今後の在り方について特集する。

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時給1500円時代へ向かう社会的背景

2025年8月初旬、2025年度の最低賃金の目安が示され、かねてより打ち出されている政府方針とともに「時給1500円時代」というキーワードに注目が集まった。まずは、賃上げが進む背景を解説する。

解説:美容の経営プラン編集部

地方を中心に
国の目安以上の賃上げも

厚生労働省の中央最低賃金審議会はこのほど、2025年度の最低賃金(全国加重平均)として、時給換算で1118円という目安を提示した。昨年度から63円の引き上げとなり、今年度は全都道府県で最低賃金が1000円を超えることが確定した。

現在、各都道府県での審議に入っているが、特に地方において、物価高対策や人材流出の防止などを狙い、引き上げ幅の目安を超える上乗せが検討されている。今後、都道府県の答申を経て全国平均の最低賃金が算出されるが、最終的に1118円を超える公算が高い。このように最低賃金が大幅に引き上げられている直接的な要因は、政府の方針である。岸田前首相は23年、2030年代半ばまでに最低賃金を1500円へ引き上げる方針を打ち出した。当時は12年間の猶予があり、毎年41円引き上げることで達成できるものであった。が、翌年には石破新首相の下、これを2020年代まで(実質的に29年)に前倒しする方針が打ち出された。すでに24年度の最低賃金(1055円)が出た後であり、当時で猶予は5年。達成には毎年89円の引き上げが必要となったのだ(25年度の目安から計算すると、毎年95円以上の引き上げが必要)。

このように賃上げを急ぐ背景には、物価上昇への対応や経済活性化などがあるが、特に大きな要素は、諸外国との所得格差の是正であろう。日本は諸外国に比べ低経済成長時代が続き、かつ、ここ数年は円安基調で実質的な購買力が大きく低下しており、大きな問題となっている。仮に政権が変わっても、賃上げ方針は継承されると考えられ、「時給1500円時代」の到来は間近と言えるだろう。

2025年度の最低賃金(時給換算)目安

(8月4日 中央最低賃金審議会答申、全国加重平均)

昨年度最低賃金:1,055円から+63円(+6.0%)

政府の最低賃金目標(全国加重平均)

岸田政権下の目標(2023年、最低賃金1,004円)

1,500円へ

(2035年達成として、2024年から毎年41円アップ)

石破政権下の目標(2024年、最低賃金1,055円):

1,500円へ

→ 6年の前倒し

(2029年達成として、2025年から毎年89円アップ)

最低賃金引き上げの背景

  1. 物価上昇への対応
    → 2025年6月の総合指数は2020年を100として111.7。前年同月比で3.3%上昇しており、この上昇幅に見合った賃金アップを保障する
  2. 労働者の生活保障
    → 最低賃金を引き上げることで、労働者の生活を安定させる
  3. 経済の活性化
    → 最低賃金アップによって購買力を高める
  4. 労働能率の増進
    → 労働者のモチベーションアップや、業務効率化の促進などを狙う
  5. 事業の公正な競争推進
    → 不当な賃金ダンピングによる費用圧縮を防止し、一定以上の人件費を支払った上での利益確保を促す
  6. 正規・非正規雇用者間の賃金格差の是正
    → 最低賃金付近で勤務する労働者の賃金を増やして「同一労働・同一賃金」に近づける
  7. 諸外国との所得格差の是正
    → 特に、先進国との賃金格差を是正し、国際購買力を高める

先進諸国の最低賃金(時給、日本円換算)

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出典『データブック国際労働比較2025』労働政策研究・研修機構 2025年、米国労働局 2024年。1米ドル147円、1ユーロ170円、1ポンド198円、1豪ドル95円、1ウォン0.105円で計算。
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次回は…(4/9公開予定)
時給1500円時代の美容室経営
その2|時給1500円時代に支払う給与はいくらなのか

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