
ハイトーンカラーの施術において、もはや欠かせない「処理剤」。しかし、「実はどんな効果があるのかよく分からない」という人も少なくないのでは? 処理剤の効果と仕上がりの色みの関係性について、基礎的な考え方を学んでおこう。
解説:内山昌彦[CANAAN]
処理剤を使用する目的は、主にこの3つ。中には、複数の役割を担う処理剤もあるが、目的に応じて使い分けることが肝心。
必要なのは分かるけど……
種類が多過ぎて、何を使えばいいのか分からない!
という人も多いはず。

プラスの処理
毛髪に足りていないもの・必要なものを補充する(=足す)処理のこと。髪の内部や表面に栄養などを補給して状態や質感を向上させることが目的で、ヘアカラーの場合、薬剤施術によるダメージ対策としても必須と言える。近年は、ヘアカラー剤自体にケア成分が配合されていることも多い。

マイナスの処理
毛髪に足りていないもの・必要なものを補充する(=足す)処理のこと。髪の内部や表面に栄養などを補給して状態や質感を向上させることが目的で、ヘアカラーの場合、薬剤施術によるダメージ対策としても必須と言える。近年は、ヘアカラー剤自体にケア成分が配合されていることも多い。
プラスの処理剤
セラミド
親水性(=水分が浸透しやすい)の毛髪に対して、高い効果をもたらす。薬剤の作用から髪を守り、ダメージを補修。しっとりと潤いのある質感に仕上げる効果もある。
コレステロール
水を抱え込む性質があり、親油性(=油分が浸透しやすい)の毛髪に対して、高い保護効果をもたらす。滑らかでやわらかい質感に仕上げる作用もあり、セラミドとは使用後の髪の手触りが異なる。
「トステア」は商品名であり、主成分は「アミノエチルチオコハク酸ジアンモニウム」。毛髪内で架橋し、強度を上げるとともに、髪のねじれを補正してやわらかい質感に整える。80度以上の熱を加えることで、より高い効果を発揮。
毛髪内部のフィブリル(ケラチン繊維)に働き掛け、内側から補強。髪の主成分であるケラチンと結合し、新たな水素結合・イオン結合を形成する。
非常に細かいケラチンで、毛髪内部に浸透した後、S-S結合に働き掛けて内側からダメージを補修。強度を増加させる。
還元剤やヘアカラー剤などの過酸化水素の作用から髪を保護する。また、S-S結合をサポートして強度を高め、エイジング毛などにハリ・コシを増加させる効果もある。
毛髪内部のフィブリル(ケラチン繊維)に働き掛け、内側から補強。髪の主成分であるケラチンと結合し、新たな水素結合・イオン結合を形成する。
樹木に寄生し、樹液を吸う「ラックカイガラムシ」の分泌液から精製される天然の樹脂。毛髪表面に吸着し、ツヤとハリを出す。シャンプーしても落ちにくいというメリットがある一方、使い続けると蓄積して髪が硬くなるデメリットも。
マイナスの処理剤
動物や植物、微生物などに広く存在している酵素。ヘアカラー乳化時などの中間処理・後処理に使用することで、残留した過酸化水素を分解・除去する。
中間処理や後処理に使用することで、毛髪内の余分な水分を押し出し、疎水性を高める。キトフィルマーと同様に「疑似キューティクル」として機能し、内部からの成分流出や、外部からの刺激を防ぐ。
柿の葉に多く含まれる成分。薬剤の悪臭に反応して消臭効果を発揮する。もともと、ヘアカラー剤などに配合されることのある成分だが、近年は処理剤として単体で販売されるケースも多い。
プラスとマイナスの処理剤
中間処理(シャンプー前)に使用すれば、ヘアカラー施術時の酸化重合を促し、発色を向上させる(=プラスの働き)。また、後処理においては、活性酸素と結び付き、過酸化水素を除去する(=マイナスの働き)。
次回は、処理方法の違う暖色・寒色の毛束(計8種)を使い、処理剤の効果を検証していきます!

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処理剤の基礎知識|検証編(3/18公開予定)
※本記事は、月刊『HAIR MODE』2025年9月号から転載した記事です。