
年齢を重ねると増えてくる、うねりやパサつき、ボリューム不足。そんな髪の悩みからお客様を救うためには、トリートメントに加えて、カットで扱いやすく整え、ヘアカラーで質感を美しく見せるなどの手法が有効。今回、それらの「髪質改善」テクニックのうち、ヘアカラーに着目。消齢化時代において自由にヘアスタイルを楽しむための、美しいベースづくりのコツを紹介する。
実際に「髪質改善ヘアカラー」、そのプランニングの実例を見ていこう。施術当日だけではなく、これまでの履歴、これからの可能性も踏まえた、自由度の高い施術計画をチェック。
解説:木俣 翔[MINX OVER]
はじめから読む…
大人の現実を受け止め、自由にデザインする「髪質改善」 ヘアカラー|Introduction
前回の施術
月イチのリタッチを繰り返していた
ファッション的な好みで、ブリーチのハイライトを施した。また、ブラウン系のグレイカラーで月1回のリタッチを継続。ダメージとブリーチの明るさ、色素の残留が目立つ。さらに、半年前にコールドパーマをかけており、毛先に履歴が残っている。
⇓
今回のプラン



髪質は軟らかく、細毛。毛量はやや少なく、広がるようなクセが少しだけある。前述のように、パーマとヘアカラーによるダメージが毛先に残っている。白髪率は20%程度。カットベースはふんわりとした印象のレイヤーボブ。

トレンドの消齢化
⇒透明感のあるベージュを目指す
「脱ブリーチ」を目指すも、今回は以前のハイライトを生かして透明感のあるやわらかい色のグレイカラーで全体を染める。ベージュをベースに、黄みを抑えるための補色の青と、アクセントとなるバイオレットを組み合わせ、ツヤのある仕上がりを目指す。
素材の消齢化
⇒キューティクルの保護と徹底したアルカリ管理
ダメージとエイジングでもともとの細毛がさらに強調されているので、前処理でキューティクルにナノバリアを張ることでさらなるダメージを防ぐ。また、ヘアカラー剤はアルカリを抑えた配合でつくり、中間処理による薬剤の浸透促進とシャンプー前の残留物除去を徹底。素材の体力を減らさないようにする。
⇓
今後の計画
カットのタイミングまで
ハイライトはお休み
まず「白髪を染め続けたい」という要望は縛りとしてマスト。リタッチのみなのか毛先まで染めるのかはケースバイケースだが、月1回の来店になる見込み。ハイライトは年1回程度にし、冬から春になるタイミングなど、スタイルチェンジをしたい時期に合わせようと提案。
前処理(頭皮を保護)
↓
前処理(顔周りの色素沈着防止)
↓
前処理(キューティクルを保護)
↓
ヘアカラー剤のカスタム→ヘアカラー剤塗布
↓
放置10分
↓
中間処理
↓
放置5分
↓
水洗
↓
シャンプー台でトリートメント
使用製品
hair design:Sho Kimata[MINX OVER]
make-up:Hina Kodama[MINX OVER]
photo:Seiji Takahashi[HAIR MODE Inc.]





定番のブラウンではなく、やわらかいベージュ系のベースカラーを選択したことで、ふんわりした感を出して、細毛によってつぶれて見えがちなシルエットをカバー。後れ毛をつくりつつ顔周りを出した、比較的若い印象のスタイリングにし、年齢にとらわれないイメージに仕上げた。

次回は…
大人の現実を受け止め、自由にデザインする「髪質改善」 ヘアカラー
Case.2|明るい色を楽しみたい人への未傷化ヘアカラー提案
はじめから読む…
大人の現実を受け止め、自由にデザインする「髪質改善」 ヘアカラー|Introduction
※本記事は、月刊『HAIR MODE』2025年12月号から転載した記事です。