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Mar. 24
技術

ライトナー・ブリーチを使い分ける!
理想の仕上がりから逆算するヘアカラー術

ヘアカラーの施術にダメージはつきものだが、そのダメージをいかに抑えられるかは、 美容師の手腕にかかっている。不要なダメージを減らしつつ、希望の仕上がりをかなえるための考え方を整理しよう。

Index

解説:樺井英樹[norm]

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多くのお客さまは、施術前の髪とともに、仕上がりのイメージを持ってサロンを訪れます。つまり、スタートとゴールは決まっており、どうゴールに導くかが美容師に委ねられているということ。スタートである髪の状態を見極め、ゴールに至るまでに生じるダメージを逆算し、避けられない場所にだけミニマムなダメージで済ませる。そのためには、薬剤の特性と、さまざまな状態の髪と反応したときにどんな作用をもたらすかを熟知しておく必要があります。

リフトアップの方法はさまざま!
ベースづくりのバリエーションによる特性をチェック

ブリーチ

脱色力が高く、1回の施術で最大16レベル程度までリフトアップ可能。お客さまの希望の色みの彩度が高い場合や、ペールトーンといった淡い色の場合はブリーチ施術が必須となる。リフトスピードが緩やかなブリーチ剤の方がダメージは控えめ。

ハーフブリーチ

ブリーチ剤とライトナーを混ぜて使用することで、ブリーチよりもダメージを抑えつつ、ライトナーよりも脱色力を高めることができる。染料が入りやすい軟毛や既ブリーチ毛の場合、ハーフブリーチでもブリーチと同程度のリフトアップが望めることも。

ライトナー

基本的には13レベル程度までリフトアップできる。ダメージが控えめな分、カラーリングの際にオキシの濃度を高くしても、施術全体のダメージは少なく済む。ベースよりも濃い色を表現する場合など、色素を抜き切る必要がないときに有効。

ダメージレスなヘアカラー施術の極意3選

お客さまがサロンを訪れた後のダメージは全て美容師が管理すべきもの。施術におけるダメージを可能な限り減らすためのポイント01〜03を整理しよう。

3種類の毛髪診断で
塗り分けに必要な情報を集める

  • 見る
    毛束を分け取り、光に透かすようにしてダメージの状態を確認する。毛髪内の水分や栄養が抜け落ちている髪ほど透けて見える。
  • 触る
    髪をなでて乾燥によるダメージを確認する。ダメージしている髪ほどキューティクルが損傷しているためざらつきが強い。
  • 聞く
    お客さまにこれまでの施術履歴を確認する。残留が見られる場合、それがどういった経緯で生まれたのかを正しく把握することで、適切に薬剤を選定できる。

どの程度リフトアップが必要か
希望のイメージから読み解く

お客さまがブリーチありのメニューで予約したとしても、希望するイメージの写真を見てみたら、ブリーチが不要だった、というケースも。彩度・明度・色相の3属性がどれだけベースの色とかけ離れているかを軸にしつつ、経験をもとに判断しよう。

ハーフブリーチ可

暖色系は、色相がオレンジに近いほど発色しやすい。寒色系の場合、ハーフブリーチで抜け切らなかったオレンジの色みを消せるほど染料が濃ければ施術可能。

ブリーチ必須

彩度が高い色になればなるほど、ブリーチが必要になる可能性も高まる。「鮮やか」「透け感」などのキーワードが思い浮かぶイメージであれば相応のリフト力が重要。

処理剤を活用して
ダメージを減らす

『norm』ではブリーチ施術を処理剤込みでの価格に設定しているため、全てのお客さまに処理剤をマストで使用。施術時のダメージは美容師にしか防げないという理念のもと、あらゆる工程で処理剤を活用してケアしている。

ex. 樺井さんの処理剤活用事例

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<カラーリング前>
特に寒色系の色みにする場合などは、頭皮ギリギリまで薬剤を塗布する必要があるため、頭皮に膜をつくって保護するジェルを活用し、刺激を抑える。
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<カラーリング前>
根元~毛先にCMC(細胞間脂質)をスプレイヤーで塗布。CMCをヘアカラー施術の前処理として活用することで、ダメージを抑えながらカラー剤の浸透を促進できる。
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<カラーリング前>
ダメージの蓄積している毛先にのみ、ヘアカラー施術で失われやすく、ダメージを補修する働きを持つPPT(ポリペプチド)をスプレイヤーで塗布する。
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<カラーリング中>
ベースをつくる薬剤やカラー剤にはプレックス系の処理剤を混ぜて使用。施術時の髪への負担を減らし、仕上がりの質感を向上させる効果がある。
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<カラーリング水洗時>
水洗時には、未反応の残留ブリーチ剤を浮かせて洗浄する、専用のシャンプーを使用。髪のダメージの進行やその後のヘアカラーの発色を阻害するといったリスクを減らす。
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<カラーリング水洗後>
水洗後は、毛髪の保護・補修をするトリートメントを活用。施術中に流出したケラチンやコラーゲンを足してダメージをケアする。

次回から実際にモデルを使って、ダメージレスなヘアカラーデザインとその施術方法を紹介!

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(3/27公開予定)
理想の仕上がりから逆算するヘアカラー術|Design.1

Profile
プロフィール画像
ヘアデザイナー

樺井英樹[norm]

かばい・ひでき/1987年生まれ。愛知県出身。中日美容専門学校卒業。東京都内2店舗を経て、2021年に『norm』をオープン。薬剤開発実績を多数持つカラーリスト。

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