
ヘアモード社が実施した美容師アンケートから見えてきた、“ハイライトなし白髪ぼかし”への需要。そこで今回は、『リュクスカラー』を活用したワントーンでの白髪ぼかしを、普段はハイライトを軸に白髪ぼかしを行う『FIRST』で実践。実際のメニュー化を通して、その提案方法と可能性を探る。
photo:Kazuki Sano[CHIYODA STUDIO]
salon data
FIRST
ファースト

所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-3-5F
設立年:1979年
スタッフ数:スタイリスト・カラリスト5人、アシスタント3人
セット面:12面
メイン客層: 30代〜40代を中心に、白髪やエイジングによる髪色の変化に悩む大人女性。
profile

吉田京介[FIRST]
よしだ・きょうすけ/1984年生まれ。神奈川県出身。真野美容専門学校卒業後、東京・吉祥寺の『FIRST』に入社。現在は同店のサロン事業代表兼ディレクターカラリストを務める。

白髪ぼかしを軸に、ライフスタイルに合わせたヘアカラー提案を得意とする吉田さん。Instagramでは、ハイライトを駆使した多様なデザインバリエーションをはじめ、施術後の経過に至るまでを、分かりやすく発信している。




調査対象:(株)ヘアモード社『美容の経営プラン(2026年)』読者112人
調査期間:2026年6月26日(金)~ 7月10日(金)
吉田さん曰く、ハイライトの有無にかかわらず白髪ぼかしは、施術前のイメージ共有が仕上がりの満足度を大きく左右するという。曖昧なまま進めるのではなく、お客さまと美容師双方の認識をそろえることが、納得感のある提案につながる。
「白髪ぼかし」と言っても目指す仕上がりは人それぞれ。どの程度まで明るくしたいのか、白髪をどの程度見せてもよいのか、ハイライトは必要かなどを細かく確認し、施術前にゴールとなるイメージを共有しておくことが大切。
白髪ぼかしをすれば、すぐに来店周期が大きく延びるとは限らない。現在どのくらいの頻度でカラーリングしているかを確認した上で、無理のない範囲でどこまで周期を延ばせそうか、現実的な目安をすり合わせておく。
次回来店時に、白髪がどの程度見えるようになるのか、褪色してどんな色みになるのかまでお客さまに提示しよう。染めた直後だけでなく、時間の経過による変化も含めて説明しておくことで、イメージのすれ違いを防ぐことができる。
仕上がりのイメージ共有が大切とはいえ、言葉だけでは認識にズレが生まれやすい。そこでカウンセリング時には、仕上がりを視覚的に確認できるツールがあると便利。次に紹介する2つの例を参考に、お客さまとのすり合わせに役立てたい。
白髪ぼかしデザインは、見られる距離によって印象が変わる。そこで、明度ごとに2つの距離から撮影した写真を用意。「日常距離」では仕上がりの明るさを、「接近距離」では白髪のなじみ具合を、それぞれ確認することができる。
↓ 日常距離(上)
職場の同僚や取引相手、ショップの店員といった関係性の相手と向かい合って自然に会話を交わすことができる約1.5〜3mの距離。日常生活において、最も相手からの見え方が気になり、ヘアスタイル全体の印象を意識する距離ともいえる。

↑ 接近距離(下)
家族やパートナーなど、親しい関係性の相手とごく近くで接するような、約30cmの距離。日常距離では気になりにくい細かな部分まで目に入りやすく、分け目などディテールが意識される距離ともいえる。


※写真は一例です。施術条件・髪質・状態等により、仕上がりには個人差があります。
“ハイライトなし”という新たな選択肢を提示するために、『FIRST』では何から考え、どう展開していったのか。作戦会議からカウンセリングまで、その実践から見えてきた、提案のハードルを乗り越えるためのヒントを紹介する。

まず行ったのは、吉田さんと、一緒にメニューづくりに取り組んだカラリストの小林真奈美さんによる作戦会議。ハイライト提案を得意とする『FIRST』だからこそ、スタッフ間にあった「白髪ぼかし=ハイライト」という認識をいったん整理。“ハイライトなし”をどんなお客さまに、どう提案するかを話し合った。

作戦会議を経て、いざメニューとして導入! カウンセリングでは、「白髪ぼかしをしたいけれど、ハイライトまでは望んでいない」というお客さまだけでなく、普段ハイライトで白髪ぼかしをしているお客さまにも、ハイライトの頻度を減らし、間の施術をワンカラーでつなぐ方法であれば、ダメージ・施術時間の負担を抑えられることを伝え、提案の幅を広げていった。

Q.「白髪ぼかし」に関して、課題となっていることは何ですか?(n=112 複数回答)

最も多かったのは「薬剤の選定が難しい」の37.5%。次いで「スタイリスト間で差が大きい」31.3%、「仕上がりに不安がある」25.9%と続く。薬剤知識に加え、お客さまが求める仕上がりへ近づけるための判断や、スタッフ間での共通認識づくりが大きな課題だ。一方、「お客さまがいない」は6.3%にとどまり、ニーズ不足よりも、提案する側の準備に課題が集中していることがうかがえる。

今回メニュー化に取り組んで感じたのは、白髪ぼかしに挑戦する上での壁は、技術そのものだけでなく美容師側の固定観念にもあるということ。僕たちは白髪を見つけると「しっかり染めなきゃ」と思いがちですが、話を聞いてみると、お客さまは必ずしも100%カバーを求めているわけではないことも。近くで見れば白髪がやや明るく見えても、髪全体の色調がそろっていれば自然に受け入れてもらえるケースも多いです。だからこそ、「白髪ぼかし=ハイライト」と決めつけず、ワンカラーという選択肢を持つことも大切だと思いました。ハイライトの技術に不安があっても、ワンカラーから白髪ぼかしを始められる。その考えがあれば、初めて白髪ぼかしを導入するサロンも、取り組みやすくなるのではないでしょうか。
特に白髪ぼかしにおいては、1回の施術だけでなく、その後まで見据えたプランニング自体にも価値があります。一方で、こうした〝見えない仕事〟は料金に反映しづらい。メニューとして定着させるには、薬剤を選んだ理由や設計までしっかりとお客さまに説明する必要があります。そこをスタッフ自身がクリアし、白髪ぼかしならではの価値として認識できれば、もっと多くのサロンで提案できるようになると思います。
実際に「ハイライトなし白髪ぼかし」を体験したお客さまと、施術を担当したカラリストは何を感じたのか。仕上がりや褪色過程への満足度や、提案する側の気づきから、メニュー化によって見えてきた手応えを探る。

悩みだった赤みを抑え
褪色後もきれいな色みを実感
髪が太いこともあり、ヘアカラー後時間がたつにつれて赤みが出やすいのが悩みでした。今回は褪色してきても赤みが気になりにくく、色みがきれいに見えたのが印象的です。白髪も目立ちにくく、全体に上品さを感じられる仕上がりで、とても気に入っています。

白髪だけが浮かずに
時間がたっても自然になじむ
施術から1カ月ほど経っても、根元の白髪が思っていたほど気にならなかったのが印象的でした。褪色が進んでも白髪だけが目立つ感じがなく、自然になじんでいたのもよかったです。また続けてみたいと思えるヘアカラーでした。

ハイライト派が実感した
ワンカラーという新たな選択
学生時代からハイライトの施術がとても好きで、『FIRST』への入社を決めたのも、「白髪ぼかしをやりたい」という思いがあったから。そのため、「白髪ぼかし=ハイライト」という感覚が強く、ワンカラーでどこまでなじむのか、最初は不安もありました。しかし実際に施術してみると、白髪だけが不自然に目立つことなく、全体になじむ仕上がりで、想像以上に使いやすかったです。白髪が増えてくると、「白髪を隠さなきゃ」という思いでヘアカラーが義務と考えるお客さまも多いですが、手軽な白髪ぼかしという選択肢があれば、もっと前向きにおしゃれを楽しんでもらえると思います。
コレストンパーフェクト+
リュクスカラーコレクション
白髪染めに多用される褐色に頼らず※白髪にアプローチする、白髪ぼかしカラー。にごりや重さを抑えて、白髪を自然にカバーしながら、やわらかな透け感が漂う、ナチュラルな髪色へ。
※ウエラにおいて
彩度と濃度を調整した「シンクロベースカラー」を採用。褐色で白髪ごと暗く覆い隠すのではなく、単品でも白髪や新生部など異なる状態の色調をそろえ、まとまりのある上品な髪色を表現。
程よく彩度を抑えたグレー系・グレージュ系を軸に、大人世代の肌になじむよう色調を調整。高彩度カラーに起こりやすい肌色のくすみを避けながら、血色感を引き立て、顔周りを明るく健やかに見せる。
黒髪と白髪、既染部やブリーチ部が混在する髪でも、褪色時も色の調和が保たれるよう設計。白髪のぎらつきやブリーチ毛への染料残留を抑え、次回来店まで自然な美しさが続く。

コレストン パーフェクト + 【医薬部外品】
お問い合わせ先:ウエラ プロフェッショナル
tel 0120-733810
受付時間 10:00~12:00/13:00~17:00(土・日・祝日を除く)