
ヘアスタイルに備わる、顔立ちを“整える”力を応用すれば、お客さまのキャラクターやなりたい像にかなう、より魅力的な姿にすることができる。コンプレックスをあえて隠さず、“目に留まるエッセンス”に変えるアプローチを探っていこう。

コンプレックスを“生かす”
Case Study 02
解説:土田哲也[NOUe]
llustration:MIKAMI
幼さを感じさせる丸みのある顔型・遠心バランスを、大人っぽく見せるアプローチを紹介。インフォルムだけでなく、アウトフォルムを使ってパーツバランスを補整するところにも注目してみよう。



遠心・下重心
バランス

逆三角形型

顔周りに隙間をつくり、遠心バランスを補整
輪郭を包むように顔周りをつくると遠心バランスが強調されるが、レイヤーでカットし、ふんわりとした動きを出すことでそれを緩和する。また、髪に隙間をつくって肌を見せるとより効果が高い。
前髪を目にかけて顔の重心を上げる
額が広く、鼻下からあご先にかけての距離がやや短いため、パーツの位置が低く感じる。また目元が遠心なので、幼い印象。目にかかる長さに前髪を設定すると、顔の下半分の縦幅が強調され、大人っぽさを出すことができる。

前後を切り離して
動きやすくする
遠心バランスを和らげるために、アウトフォルムを広げる。レングスが長くボリュームが出にくいため、サイドとバックをディスコネして、動きを出しやすくする。
顔周りを包み込み
縦長な印象に
卵型に近いが、リップ下から頬骨に丸みがあるため、逆三角形型に見えている。あごはすっきりしているため、輪郭を包み込むように顔周りをつくるだけでもクールな印象にコントロール可能。ただし、より遠心に見えてしまうので、アウトフォルムを広げるなどの工夫が必要。
Beforeのイエローオレンジから、深みのあるバイオレット系にトーンダウン。黄色みのある明るい髪色ではシルエットや繊細な毛先がぼやけてしまうところを、引き締まって見える低明度のバイオレット系にして補整効果を高めた。
フィヨーレコスメティクス『BLカラー』V4にRV6を10%、ブラウンを5%、ミルボン『エノグ』ホリッカーパープルを5%+フィヨーレコスメティクス『BLカラー』OX3
幅の狭い筋状の前髪をつくって大人っぽい印象にする。薄いながらもライン感を出したいので、一度パツッとカットしてから表面の角を取る。目の位置にラインが入ることで、顔の下半分の距離を強調することができる。またスタイリング時に、顔の中央に向かう毛流れを付け、求心的なバランスに見せる。

耳より前を分け取り、顔周りを包むインフォルムをつくる。まず、丸さが目立つ頬骨の位置に落ちる、こめかみの髪でガイドを設定。その後、頭の丸みに沿って、前方に向かって水平にリフトアップし、レイヤーを入れる。

前方に引いてレイヤーを入れた後、セクションラインに対してオンベースに引き出して、耳前に残っている重さを取る。さらに量感調整でグラ状に毛量を取り、ふんわりした動きを出しやすくする。こうしてアウトフォルムを広げ、遠心バランスを補整。

耳から後ろのバックは、Iラインのシルエットにする。まずフロント側で三つ襟の長さを決め、前上がりにアウトラインをカット。そして上下に分けてレイヤーを入れる。ふんわりと動くサイドと、スッと収まるバックとを切り離してつくり、正面から見たときに縦長なひし形にする。


※本記事は、月刊『HAIR MODE』2025年11月号から転載した記事です。