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Mar. 18
知識

処理剤の基礎知識
効果を見てみよう

ハイトーンカラーの施術において、もはや欠かせない「処理剤」。しかし、「実はどんな効果があるのかよく分からない」という人も少なくないのでは? 処理剤の効果と仕上がりの色みの関係性について、基礎的な考え方を学んでおこう。

Index

解説:内山昌彦[CANAAN]
関連記事:処理剤の基礎知識

処理剤の効果を見てみよう

前回、処理剤の種類と考え方を紹介した。今回は、処理方法の異なる暖色・寒色の毛束を実際に染め、処理剤の効果を検証する。色みや質感の違いを比べてみよう。

使用する毛束

48A1577

処理の条件

  1. 特別な処理なし
    ヘアカラー施術のみ。
  2. マイナスの処理あり
    ヘアカラー施術+アルカリ性のシャンプーで皮脂や汚れを除去。
  3. プラスの処理あり
    ヘアカラー施術+ヘマチン・キトサン(キトフィルマー)・CMCを塗布。
  4. マイナスの処理・プラスの処理あり
    ヘアカラー施術+アルカリ性シャンプー+ヘマチン・キトサン・CMC塗布。

使用カラー剤・処理剤と施術工程

ヘアカラー使用製品

〈暖色〉
中野製薬『キャラデコ』P/v-13+同『キャラデコ』オキサイド N 06(2倍)

〈寒色〉
中野製薬『キャラデコ』A/v-13+同『キャラデコ』オキサイド N 06(2倍)

使用処理剤

ヘアカラー後のシャンプー
アミティエ『アミティエ ヘアシャンプー』(CANAANオリジナル)(A

マイナスの処理
トライグッズ『BASE SHAMPOO アルカリプレシャンプー』(B

プラスの処理
リトル・サイエンティスト『ワクワクneo 3種混合液』(C
リトル・サイエンティスト『ワクワクneo ヘマヘマ』(D
リトル・サイエンティスト『ワクワクneo キトキト』(E
トライグッズ『ケラフェクトコネクター』(F

施術工程

  1. 特別な処理なし
    ウエット後、ヘアカラー剤塗布 → 25分放置 → Aでシャンプー
  2. マイナスの処理あり
    Bでシャンプー → ヘアカラー剤塗布 → 25分放置 → Aでシャンプー
  3. プラスの処理あり
    ウエット後、Cを塗布 → Fを塗布 → ヘアカラー剤塗布 → 25分放置 → Dを塗布 → Eを塗布 → Aでシャンプー
  4. マイナスの処理・プラスの処理あり
    Bでシャンプー → Cを塗布 → Fを塗布 → ヘアカラー剤塗布 → 25分放置 → Dを塗布 → Eを塗布 → Aでシャンプー

【検証1】ヘアカラー施術直後の違い

まずは、ヘアカラー直後の毛束から。ヘアカラー直後の発色や質感の違いは……?

写真左写真中写真右
暖色
13レベルピンク系
寒色
13レベルアッシュ系
コームを
通した結果

01 特別な処理なし

どちらも色みはやや薄め。BEFOREよりも手触りが悪化しており、コームの通りは悪い。

HM09 062 067 1 1
色が薄く、手触りも悪い
HM09 062 067 1 2
色が薄く、手触りも悪い
HM09 062 067 1 3
ザラつきがあり、コームが通らない

02 マイナスの処理あり

余分なものを除去してからカラー施術を行ったためか、01よりもやや色みは濃い印象。

HM09 062 067 2 1
広がってしまう
HM09 062 067 2 2
HM09 062 067 2 3
毛先で引っ掛かる

03 プラスの処理あり

色み・質感とも02と同程度。コームの通り具合も、02と同じく毛先で引っ掛かかりやすい。

HM09 062 067 3 1
HM09 062 067 3 2
手触りは、まあまあ
HM09 062 067 3 3
毛先で引っ掛かる

04 マイナスの処理・プラスの処理あり

色の染まり具合も手触りも良く、光沢もある。毛先までコームがスーッと通るのは、04のみ。

HM09 062 067 4 1
HM09 062 067 4 2
0104のうち、最もきれい!
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毛先までスーッと通る

【検証2】30回シャンプー後の違い

調査1の毛束を30回シャンプーし、シャンプー後の退色の仕方と質感の違いを比較。どれだけ差が出るか?

写真左写真右
暖色
13レベルピンク系
寒色
13レベルアッシュ系

01 特別な処理なし

退色が激しく、0104のうち、最も黄みが強く出ている。手触りも悪く、バサバサと広がってしまう。

HM09 062 067 5 1
色みはほぼ残っておらず、バサバサ
HM09 062 067 5 2
色みはほぼ残っておらず、バサバサ

02 マイナスの処理あり

03よりも、やや色みが残っている。マイナスの処理により、カラー剤のパワーが引き出されているのかも。

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HM09 062 067 6 2
色みが最も残っている!けれど、手触りが悪い

03 プラスの処理あり

02の「マイナスの処理あり」よりも、やや退色している印象。ただし、質感は02よりも良く、広がりやパサつきは少ない。

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手触りは悪くない
HM09 062 067 7 2

04 マイナスの処理・プラスの処理あり

退色は緩やかで、全体的に色みが残っている状態。広がりやパサつきも少なく、手触りも0104のうち最も良い。

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HM09 062 067 8 2
まとまりが良く、質感も良し!

結論

「マイナスの処理」は、カラー剤のパワーを引き出して発色・色持ちを向上させると推測できる。また、「プラスの処理」は、30回シャンプー後でもある程度の質感の良さを保てていたことから、ヘアカラーの刺激やダメージから髪を保護する効果があることが分かる。最強なのは、これらをどちらも行う「マイナス+プラスの処理」(※同一レシピ・条件での施術を比較した場合)。なお、毛束の検証では暖色よりも寒色のほうが退色が抑えられている傾向があるが、こうした色みによる発色・退色の違いについては、カラー剤のスペックによって異なっているものと思われる。

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処理剤使用の注意点

処理剤の効果・役割を踏まえて使用する

→ 何でもかんでも、使えばよいというわけではない!
それぞれの髪のコンディション・施術内容に合わせて、必要なものを使用することが大前提。また、コストとのバランスも要検討。

使用順・塗布順に気を付ける

→ 分子量の小さいものから入れ込む
→ 内部に入れてから、表面にふたをする
分子量の小さいもの(=低分子)は内部に浸透しやすく、大きいもの(=高分子)は浸透しにくい。そのため、分子量の小さいものを先に入れ込み、分子量の大きいもので表面にふたをするように使うと、効率が良い。とはいえ、分子量の大きさは処理剤やメーカーによって異なるため、同一シリーズの処理剤をメーカー推奨順に使用するのがベスト。

何を使えばよいか迷ったら……
近年は、薬剤設計の技術も進化し、処理剤自体に複数の効果があるものや、ヘアカラー施術と組み合わせることを前提に開発されたシステムトリートメントなども多数販売されている。特にシステムトリートメントは、以前と比べて工程が簡略化されており、時短にもなる。どの処理剤を使えばよいか迷う場合は、サロンのコンセプトや客層に合わせて、総合的な効果が得られるものを選ぶのも、一つの手。

参考:『ヘアカラー処理剤攻略BOOK』『美容師が知っておきたい 薬剤成分用語まるわかりBOOK 増補版』(共に小社刊)

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Profile
プロフィール画像
ヘアデザイナー

内山昌彦[CANAAN]

うちやま・まさひこ/1989年、奈良県出身。高津理容美容専門学校卒業。奈良県内1店舗を経て、2012年、東京・表参道の『CANAAN』に入社。現在、銀座店の店長を務める。

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