
ヘアスタイルに備わる、顔立ちを“整える”力を応用すれば、お客さまのキャラクターやなりたい像にかなう、より魅力的な姿にすることができる。コンプレックスをあえて隠さず、“目に留まるエッセンス”に変えるアプローチを探っていこう。

コンプレックスを“生かす”
Case Study 01
解説:土田哲也[NOUe]
llustration:MIKAMI
面長型も求心バランスも大人っぽい雰囲気に見せやすいが、縦長感を強調し過ぎると、平坦で物足りない印象になってしまう。縦幅を生かしつつも、立体感と奥行きを与えるアプローチを見ていこう。



やや求心バランス

面長型

ひし形フォルムで
トップの高さをカバー
トップの骨格が高く、生え際から距離がある。アウトフォルムをフラットにすると平坦に見えてしまうので、裾を締めたり、表面に動きを出すなどしてひし形をつくり、横幅を強調する。フォルムに奥行きが生まれ、あご先もよりシャープに見える。
前上がりの前髪で
縦の距離を補整
生え際からあご先までで見ると、やや目の位置が高い印象がある。前髪をつくる際に、リップから頬骨付近に前上がりのラインを入れて縦幅を分断し、目から下の距離を短く見せる。
独立した顔周りで
よりシャープに
面長型だが、大人っぽい印象にしたいので、あえてアウトラインを前下がりにする。そうすると縦の距離が際立つため、顔周りに独立した毛束をつくることで印象を緩和する。また、あご先をシャープに見せる効果も狙う。
前髪をアシメにして
両目の間隔を遠心に
そこまで求心バランスではないものの、眉間から鼻下に距離がある分、両目の間隔が狭く見える。今回はクールな女性像にするため、程よく縦の距離感が生きるように、アシンメトリーな前髪でやや遠心なバランスに補整する。
前髪の右端とベースのこめかみ部分一線にハイライトを入れる。ディスコネされた前髪、顔周り、ベースの境に配置することで、それぞれの補整効果を際立たせている。また、ハイライト部の端に細くブラウンを乗せて、動きの立体感を強調。
目尻から頬骨に落ちる幅で、浅めに前髪をブロッキング。やや丸みをつけたスタイリングをイメージして、前髪の端をリップラインの上に設定する。なお、縦長の印象が残るように、センターパートにしている。

右にスライド→
前髪の左側は端から鼻下に向かう前上がりにカットし、グラを入れる。サイド側に引き出し、生え際の髪を切らないように表面をチェック。あごから耳に向かう輪郭線を遮り、面長の印象を緩和する。

前髪の脇からこめかみまでの範囲を分け取り、ドライ時にあごに沿う長さで前上がりにカット。独立した毛束をつくる。あごの先端をシャープに見せると同時に、前下がりに設定したサイドのアウトラインによる縦長な印象を緩和させる。

前髪の右側は、正中線上の髪が鼻筋の長さになるように、前上がりにレイヤーを入れる。さらに、リフトアップして角を取る。この頬骨にかかるラインが、あご先から生え際までの縦幅を補整。量感調整で内側にスライドカットを入れ、動きと立体感をつくる。

顔周りを除き、ハチより上の表面はセイムレイヤーにカット。ハチより下は骨格に沿って垂直にリフトアップし、ハイレイヤーを入れる。量感調整では、スライドカットで内側に隙間をつくり、表面を動きやすくするとともに裾を引き締めて、アウトフォルムをなだらかなひし形に。あご先端をシャープに見せながら、フォルム全体に奥行きを出す。


次回は、実践編パート2。「逆三角形型」「遠心・下重心バランス」の似合わせのテクニックを解説します。

コンプレックスを
チャームポイントに変える
似合わせカットテクニック#03(実践編)
※本記事は、月刊『HAIR MODE』2025年11月号から転載した記事です。