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Apr. 04
経営

業績向上&離職防止に効果的!
スタッフのメンタル育成

スタッフの迷いを払拭し、自信をつけさせることで、面白いように売上が上がる! その方法を「鋼の自己肯定感」「無双のメンタル」の著者が指南する。

Index

解説:宮崎直子[鋼の自己肯定感で個人と組織を変える専門家]

はじめに

スタッフのパフォーマンスややる気をアップし、離職率を下げるために不可欠なのが、スタッフの安定した強いメンタルです。そのメンタルの育成の鍵となるのは、自己肯定感、つまり、「ありのままの自分を無条件に受け入れ、愛すること」です。スタッフの強いメンタルを育成するために、経営者であるあなたができることや、行うべきことを、ステップを追ってお伝えしていきます。

ステップ1
経営者自身の自己肯定感を高める

スタッフに高い自己肯定感を持ってもらうには、まずは経営者自身が高い自己肯定感を持つことから始める必要があります。低い自己肯定感も高い自己肯定感も周りに伝染するからです。

私たちは往々にして、表1にあるような条件を自分に課して、条件を満たしている自分はOK、条件を満たせない自分はダメだと思ってしまいがちです。けれども、条件は常に変化するもの。条件がどう変化しようとも、「どんな自分もOK」だと存在レベルで思えるのが、真の自己肯定感です。ありのままをいったん受け入れる。そこから成長していけばいいのです。

そのためには、経営者自身が、「過去に何があっても、今どんな状態でも、未来に何があっても、100%自分に寄り添う」と決めてしまいましょう。なお、この記事では、後述するステップ3の「スタッフの自己肯定感を高める」ためにできることを中心にお伝えしますが、これはそのまま経営者自身の自己肯定感を高める際にも役に立つので、ぜひ実践してみてください。

表1:自己肯定感を上げ下げする要素

見た目、体重など家族、親戚
成績、学歴才能、能力
仕事、キャリア性格
貯金、収入習慣、行動
友だちの数、人気(いいねの数)過去の自分がしたこと、しなかったこと、過去の自分に起こったこと
パートナーの有無今の自分がしていること、していないこと、今の自分に起こっていること

ステップ2
他者肯定感を高める

経営者の自己肯定感が高まったら、次にすべきことは、「他者肯定感」を高めることです。他者肯定感とは、「ありのままの他者を無条件に受け入れ、愛する」こと。完璧ではないスタッフを、その可能性を信じて、存在レベルで受け入れることだと考えるとよいでしょう。

多くの場合、自己肯定感と他者肯定感は比例するのですが、中には、自分は肯定できるが他人は肯定できない、あるいは逆に、自分は肯定できないが他人は肯定できる人もいます。本物の自己肯定感は、自分も他人も肯定できる力です。

図1:スタッフのメンタルを育成するための3ステップ

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ステップ3
スタッフの自己肯定感を高める

ステップ1で自己肯定感を高め、ステップ2で他者肯定感が高まったら、いよいよ、ステップ3としてスタッフの自己肯定感を高めていきます(図1)。

以下、スタッフの自己肯定感を高めるために、経営者が具体的にできることを紹介します(表2)。

表2:スタッフの自己肯定感を高めるために経営者ができること

  1. 存在を肯定する
  2. 長所にフォーカスする
  3. 感謝する、褒める
  4. 心配ではなく、信頼する
  5. 意見を聞いて決めさせる

01 存在を肯定する

「存在を肯定する」とは、スタッフに、「自分は完璧ではなくても、ここにいていいのだ」と思ってもらうことです。そのために一番効果的なのは、笑顔でのあいさつです。ミスが続くスタッフには、顔を見ればダメ出しをしたくなるかもしれません。が、まずは毎朝・毎晩、笑顔で「おはよう」「お疲れさま」とあいさつをしましょう。ほんの小さなことですが、これがスタッフを存在レベルで肯定することになります。

02 長所にフォーカスする

経営者はつい、スタッフの短所に目を向けがちですが、短所の克服に努めるよりも、長所を生かすことに努めた方が、スタッフの自己肯定感は高まります。そのためには、「自分の仕事はスタッフの長所を発掘し、生かし、成長させること」と心得るとよいでしょう。

完璧な人は存在しません。全ての人に短所と長所があります。自己肯定感が低い人は、長所を無視して、短所ばかりに目を向ける人です。それでは、負けん気などで一時的に力は出ても、長期的にはメンタルをやられてしまいます。

03 感謝する、褒める

他の美容室で働くことができたにもかかわらず、自分の美容室に来てくれている。休まず毎日出勤してくれている。そのことにまず感謝しましょう。

「いつもありがとう」「今日もお疲れさま」そんな経営者の声掛けが、スタッフの自己肯定感を高めます。スタッフの誕生日や、勤続○周年など、節目節目で感謝を込めてお祝いをするのも効果的です。スタッフを褒めるときは、結果だけではなく、プロセスも褒めるようにしましょう。カットの技術が今ひとつだとしても、一生懸命練習をしているようであれば、そのプロセスを認めて褒め、努力に感謝することが大切です。

04 心配ではなく、信頼する

ロバート・ローゼンタールというアメリカの心理学者は、「相手への期待が相手の行動やパフォーマンスに影響を与える」ことを実験で証明しました(「ピグマリオン効果」といいます)。

経営者であるあなたも、同様に、「このスタッフは確実に成長する」と信頼を寄せれば、そのスタッフは実際に成長していきます。経営者から「信頼されている」と実感できたスタッフは、ありのままの自分を肯定した上で、どんどん成長できると信じ、行動できるようになるからです。その逆も真なり。あなたが、「このスタッフはダメだ」と見限ると、そのスタッフは成長が難しくなります。

05 意見を聞く、決めさせる

アメリカの心理学者、エドワード・デシは、「自己決定理論」を提唱しています。この理論の要点は、
「自己決定の度合いがモチベーションや成果に結び付く」というものです。経営者は、各スタッフの成熟度や性格などを考慮した上で、どんな小さな案件でもいいので、意見を聞いて、スタッフ自らに決めてもらいましょう。スタッフの意見は、その人の「ありのままの自分」の一部です。これを尊重することで、スタッフの自己肯定感が高まります。

新人のスタッフには、期待する結果と、その結果へ到達する手段も示した上で、簡単な意思決定をさせましょう。熟練したスタッフであれば、結果の目標だけを示し、それに到達するための手段を決めてもらうとよいでしょう。

まとめ

今回は、スタッフのメンタルを育成するために、経営者ができることをお伝えしました。最後に、よくある質問に答えて、まとめに代えたいと思います。

1つ目は、「ありのままの自分や他人を受け入れたら、成長が止まってしまうのでは?」という疑問です。これは決して、そんなことはありません。ありのままの自分とは、カーナビでいう現在地のようなもの。人はいつからでも、いくらでも成長できることが近年の脳科学で明らかになっています。成長したいなら、現在地を偽らず正確に把握することが第一歩なのです。

2つ目は、「部下の自己肯定感が高まると、部下が傲慢になるのでは」という心配です。自己肯定感と傲慢さは明らかに異なります。真に自己肯定感が高い人はむしろ謙虚なのです。安心してご自身の、そしてスタッフの自己肯定感を高めてください。


スタッフの存在を肯定する
最初のアクション

スタッフの長所にフォーカスする
最初のアクション

スタッフに感謝する
最初のアクション

スタッフを信頼する
最初のアクション

スタッフに決めさせる
最初のアクション

自己肯定感アップに関して
よくある疑問と答え

Q1:ありのままの自分や他人を受け入れたら、そこで満足・慢心し、成長が止まってしまうのでは?


Q2:部下であるスタッフの自己肯定感が高まると、部下は傲慢になるのでは?


Profile
鋼の自己肯定感で個人と組織を変える専門家

宮崎直子

みやざき・なおこ/コーチング、セミナー、企業研修を通して年間1万人以上に「折れないメンタル」の持ち方を指導。日米のIT業界での経験、アドラー心理学、ポジティブ心理学、稲盛和夫氏(盛和塾)からの学びなどを融合した独自の方法は、『プレジデントオンライン』『ニューズウィーク』『an-an』など多数のメディアで紹介されている。著書に『鋼の自己肯定感』(かんき出版)『無双のメンタル』(光文社)がある。

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